焼き立てのパンは、食卓を豊かにしてくれる特別な存在です。
しかし、こねる作業や発酵の管理が大変で、手作りパンに挑戦しても長続きしないという声も多く聞きます。
そんな方におすすめしたいのが、スペルト小麦とオリーブオイルで作る「冷蔵ストックできるパン生地」です。こねる必要がなく、冷蔵庫で寝かせておけば好きなタイミングでパンが焼けるので、忙しい家庭でも無理なく続けられます。
スペルト小麦は古代から食べられてきた小麦の一種で、香ばしさとやさしい甘みが特徴です。
消化にやさしいとされ、最近では低フォドマップ食材としても注目されています。さらに、オリーブオイルを加えることで、しっとり感と風味が増し、フォカッチャやピザ生地として大活躍してくれます。
レシピのきっかけ
毎日フォカッチャを食卓に出したいと思ったのが、このレシピを考案したきっかけです。
市販のパンを買うよりも、焼き立ての香ばしいパンを家で手軽に作りたい。そんな思いから、海外のパンレシピを参考にしつつ、日本の家庭で扱いやすい分量や工程に調整しました。
結果として、冷蔵庫で1週間保存でき、いつでも取り出して焼ける便利な生地に仕上がりました。
スペルト小麦の風味とオリーブオイルの香りは相性抜群です。発酵の待ち時間さえクリアできれば、毎朝の朝食や夕食のお供に焼き立てパンを用意できます。
材料(大きめの保存容器1個分)
- スペルト小麦粉(白)…500g
- ぬるま湯…355g
- ドライイースト…5g
- 塩…5g
- 砂糖…10g
- エクストラバージンオリーブオイル…35ml
※ぬるま湯は40℃前後が目安。熱すぎるとイーストが死んでしまうので注意してください。
作り方の手順
1.保存容器にぬるま湯、ドライイースト、塩、砂糖、オリーブオイルを入れてよく混ぜます。

2.スペルト小麦粉を加え、ゴムベラでひとまとめになるまで混ぜます。

3.ダマが残らないように、食品用手袋をつけてしっかり混ぜ合わせます。粉気がなければOKです。

4.容器にラップをして、オーブン発酵40℃で45分、または室温で2時間ほど置きます。

5.生地が2倍に膨らみ、気泡が出ていれば発酵完了です。乾燥防止のためラップをして冷蔵庫で保存します。

6.8時間~一晩寝かせれば、生地は完成。ガス抜きは不要で、そのまま成形に使えます。


生地の使い方
冷蔵庫から出した生地は、使う分だけ切り分けて軽く丸めます。ベンチタイムを10分とることで、生地が扱いやすくなります。

その後、お好みの形に成形して二次発酵させます。
- オーブン発酵なら40℃で20分
- 室温なら2倍にふくらむまで待ちます
予熱したオーブン(210~230℃)で15~20分焼けば完成です。サイズによって焼き時間は調整してください。
フォカッチャの作り方
1.生地を150gずつに分けて丸め、10分休ませます。

2.手で平らに伸ばし、表面にオリーブオイルを塗ります。
3.指で数カ所へこみをつけ、オリーブの実をのせます。
4.室温で2倍に膨らむまで二次発酵させ、岩塩を散らします。

5.210℃に予熱したオーブンで25分焼きます。

シンプルながら、外はカリッと、中はふんわり仕上がります。休日のランチにスープと合わせれば、立派なごちそうになります。
Top写真は、薄くのばした生地にピケをして、トマトソース、チーズをのせて250℃14分で焼成しています。

美味しく作るためのコツ
- 保存は冷蔵庫で1週間まで可能です。乾燥を防ぐため、ラップと容器のふたをしっかり閉めてください。
- 生地がやわらかいので、成形のときは打ち粉を多めにすると作業がスムーズです。
- 1日1回、生地を軽く丸め直すと乾燥しにくくなります。
- フォカッチャ、ピザ、ちぎりパンなどアレンジは自由自在。具材を変えるだけで、飽きずに楽しめます。
まとめ
スペルト小麦とオリーブオイルで作る冷蔵パン生地は、簡単なのに美味しく仕上がる、とても便利なレシピです。
材料を混ぜて冷蔵庫で寝かせるだけなので、パン作りがはじめての方でも気軽に挑戦できます。低フォドマップの食材を使っているため、おなかにやさしく、日々の食卓にも取り入れやすいのが嬉しいポイントです。
朝は焼きたてのフォカッチャを食卓に並べたり、休日には家族でピザを作ったりと、いろいろなシーンで活躍してくれます。
忙しい毎日の中でも、手軽に「焼きたてパンのある暮らし」を楽しめるレシピです。ぜひ一度試してみてください。