コーヒーの香りがふんわり広がるスペルト小麦100%のパン生地を紹介します。
古代小麦の一種であるスペルト小麦は、香ばしい風味と栄養価の高さが魅力で、消化にも優しい粉です。さらに前日に仕込んだ老麺(発酵生地)を加えることで、生地がしっとりと柔らかくなり、もっちりとした食感に仕上がります。
冷蔵庫で約1週間保存できるため、食べたいときに成形して焼くだけで、焼きたてのパンを楽しむことができます。アレンジとしてチョコチップやキャラメルを加えれば、カフェスイーツのような特別感のあるパンにもなります。
レシピのきっかけ
スペルト小麦を使ったパン作りを繰り返しているうちに、「コーヒーと組み合わせればさらに奥行きのある風味になるのでは」と考え、このレシピを作りました。
コーヒーのほろ苦さにチョコチップの甘さを加えると、風味のバランスが良く、朝食やおやつにぴったりなパンが完成しました。さらに老麺を混ぜ込むことで生地の老化を防ぎ、焼き上がりはもちろん、時間が経っても美味しさが長持ちします。
材料(約2本分)
- スペルト小麦粉:220g
- タピオカ粉:30g(なければ全量スペルト小麦で可)
●基本の生地材料
- スペルト小麦の老麺フランス生地:75g
- ドライイースト:2.5g
- 塩:2.5g
- メープルシロップ:10g
☆コーヒー液
- インスタントコーヒー粉末:5g〜
- ぬるま湯:190g
フィリング
- チョコチップやキャラメルチップ:お好みの量
作り方の手順
1.コーヒー粉末をぬるま湯で溶かし、好みの濃さに調整します。カフェインレスのコーヒーでも美味しく仕上がります。

2.大きめの容器に基本の材料(●と☆)を入れて混ぜ合わせます。

3.スペルト小麦粉とタピオカ粉を加え、ゴムベラでひとまとめにします。

4.ある程度まとまったら、手でダマが残らないようによく混ぜます。特にタピオカ粉は固まりやすいため注意します。

5.生地が均一になったら、乾燥防止にラップをかけ、オーブン発酵(40℃で45分)または室温で2時間置きます。

6.発酵が進み気泡がたくさん現れ、生地が倍に膨らんでいれば一次発酵完了です。

7.そのままラップをして冷蔵庫へ。最低8時間から一晩休ませると、生地が落ち着いて扱いやすくなります。


成形と焼成
- 冷蔵庫から出した生地を好みの分量に切り分け、丸めて10分休ませます。
- 成形後、オーブン発酵(40℃で20分)または室温で約90分(二次発酵)。冬は120分程度を目安にします。
- 230℃に予熱したオーブンで20〜30分焼成します。大きさによって焼き時間を調整してください。
アレンジ例
250gの生地にチョコチップを50g加えると、甘さとほろ苦さが絶妙なパンになります。
1.冷たい生地を250gに分割し、10分休ませます。

2.生地を長方形に伸ばしてチョコチップを半量散らし、三つ折りにします。

3.残りのチョコチップを加え、端から巻き込み、閉じ目をしっかりとじます。


コルプ型に打ち粉をして生地を入れ、ラップをかけて二次発酵させます。

クープを入れて霧吹きをし、下段に熱湯を注いでスチームを発生させながら焼成します。

焼き上がりはクラストがカリッとし、クラムはふんわり。焼きたてを割ると、甘い香りとコーヒーの芳ばしさが広がります。
オーブンから出した時、パチパチと音が聞こえたら大成功です。

カットするとこんな感じでした♬クラムはふんわり、クラストは少しカリっとした焼きあがりになりました♬

老麺は、こちらのレシピを参照ください。
▶︎スペルト小麦の老麺フランス生地♬

※ドリップしたコーヒーを使われる場合は、190g入れて下さいね(インスタントコーヒー+ぬるま湯の代用に)♬
美味しく作るためのコツ
- タピオカ粉を入れるともちもち感が増しますが、なくても十分美味しく作れます。
- コーヒーの濃さは好みで調整可能。ドリップコーヒーを使用する場合は190gを目安にしてください。
- 生地は冷蔵庫で約1週間保存可能。1日1回軽く丸め直すと生地が乾燥せず、なめらかさを保てます。
- 焼成時はスチームを利用するとクラストがより香ばしく仕上がります。
まとめ
スペルト小麦とコーヒーを合わせたパンは、香ばしさとほろ苦さが重なり、毎日の食卓にちょっとした大人の贅沢を運んでくれます。
チョコやキャラメルを加えれば、カフェで楽しむようなスイーツパンに変わり、おうち時間がぐっと華やぎます。さらに、スペルト小麦は栄養価が高く消化にもやさしいため、健康を意識する方にもぴったりです。
冷蔵庫に生地をストックしておけば、思い立ったときに焼きたてを楽しめるのも嬉しいポイント。朝ごはんやおやつに取り入れるだけで、家族の「おいしい!」が増え、普段の食卓がちょっと特別で体にやさしい時間に変わります。