こねずに作れる手軽さと、冷蔵庫で保存できる便利さを兼ね備えたパン生地のレシピを紹介します。
今回使用するのは、すべての小麦の祖先と呼ばれる古代小麦「Einkorn(ヒトツブコムギ)」です。小麦粉だけでなく卵やメープルシロップも加え、ほんのり甘くてふんわりとした生地に仕上がります。
毎日の朝食用の食事パンとしても、おやつや軽食の菓子パンとしても楽しめる万能レシピです。
このレシピのきっかけ
古代小麦に興味を持ち、最も古い品種のひとつであるEinkornを取り寄せて試してみました。現代の小麦粉と比べるとグルテンの性質が異なり、生地のまとまり方や膨らみ方にも独特の特徴があります。
副材料を少し工夫するだけで食感が変化することに驚き、家庭でも扱いやすい方法を探してまとめたのがこのレシピです。忙しい日でも手軽にパンを焼けるように、こねずに仕込めて冷蔵保存できる工程にしています。
材料(大きめコンテナ1台分)
- ヒトツブコムギ粉(Einkorn小麦粉)…500g
- ドライイースト…5g
- 塩…5g
- 卵…2個
- メープルシロップ…60g
- ぬるま湯…200g
- 溶かしバターまたは無塩マーガリン…60g
卵とメープルシロップを加えることでやさしい甘みが生まれ、食事にもおやつにも応用できます。
作り方の手順
1.冷蔵庫に収まる大きさのコンテナやタッパーを準備します。
2.バターまたはマーガリンを溶かしておきます(電子レンジや湯せんでOK)。
3.大きめの容器に卵・メープルシロップ・ぬるま湯・イースト・塩を入れ、軽く混ぜます。

4.ヒトツブコムギ粉を加え、ゴムベラで全体を混ぜ合わせます。

5.粉気がなくなってひとまとまりになったら、食品用手袋をはめてダマをつぶしながら丁寧に混ぜます。

6.生地が均一になったら、乾燥を防ぐためにラップをして室温で約2時間休ませます。

7.表面に気泡が出て倍に膨らんでいたら一次発酵の完了です。再度ラップをして冷蔵庫に入れ、一晩寝かせます。ガス抜きは不要です。


9.横から見るとこんな感じです。1晩冷蔵庫で寝かせて、翌日から使って下さいね。ガス抜きは不要です。

冷蔵庫で寝かせた生地の使い方
- 冷蔵庫から必要な分だけ生地を取り出し、打ち粉をふって切り分けます。
- 丸め直してベンチタイム10分。やわらかい生地なのでしっかり粉を使うと扱いやすくなります。
- 成形してオーブンの発酵機能(40℃で20分)または室温で約90分休ませます。寒い時期はさらに30分ほど長めに発酵させると安心です。
- 190℃に予熱したオーブンで15〜30分焼きます。焼き時間はパンの大きさに合わせて調整してください。



仕上がりの特徴
焼き上がったパンは表面が香ばしく、カットするとしっとりしたクラムが現れます。
Einkornならではのやさしい甘みと素朴な風味が口いっぱいに広がり、食べるほどに味わい深さを感じられます。現代の小麦よりも軽やかで消化にやさしいといわれ、日常の食卓にもなじみやすいパンに仕上がります。

美味しく作るためのコツとポイント
- 冷蔵保存は5日間まで可能:毎日少しずつ焼けるので、食べたいときにすぐ使えるのが魅力です。
- 生地が柔らかい場合の工夫:打ち粉をしっかり使うことで成形しやすくなります。
- 発酵時間の調整:気温によって発酵の進み具合が変わるため、季節に合わせて調節してください。
- スチームを入れる焼成:お好みでオーブンにスチームを加えると、よりしっとりとした食感が楽しめます。
まとめ
Einkorn(ヒトツブコムギ)100%のパン生地は、古代小麦ならではの滋味深い香りとやわらかな甘みが魅力です。
こねる手間を省いた方法で仕込めるので、初心者でも挑戦しやすく、忙しい日常の中でもパン作りを続けられます。冷蔵庫で保存して必要なときに焼くだけで、焼き立てパンを毎日楽しめるのは大きなメリットです。
健康志向の方や、シンプルな素材でパン作りをしたい方にもぴったりのレシピです。