パン作りの楽しみは、焼き上がった香ばしい香りや食感だけでなく、生地を仕込むときから始まります。
今回は、シチリア産の古代小麦Tumminia(Timilia)を使って、ふんわり芳醇なパン生地を作りました。
仕込み中から広がる甘く香ばしい香りは、キッチンを包み込み、焼き上がりを待つ時間までも幸せにしてくれます。
この記事では、私が実際に試して家族からも大好評だったレシピを詳しく紹介します。特別感のある小麦をシンプルに味わうパン作りを、ぜひご家庭でも楽しんでください。
レシピのきっかけ
シチリア産の古代小麦粉Tumminiaを手にしたとき、まずは余計な材料を加えず、その風味をしっかり堪能したいと思いました。
試作を重ねるなかで、仕込みの段階からただよう香りに心が弾み、焼き上がりを待つ時間も特別なものになりました。
実際に食べてみると、小麦本来の甘みと香ばしさが口いっぱいに広がり、家族からも「また作ってほしい」と嬉しいリクエストが届きました。この体験を記録に残すためにレシピをまとめました。
材料(コンテナ1台分)
- Tumminia/Timilia小麦粉 … 455g
- ドライイースト … 5g
- 塩 … 5g
- ぬるま湯 … 360g
作り方の手順
1.今回使ったシチリア産古代小麦粉です。
大きめのタッパーやコンテナにドライイースト、塩、ぬるま湯を入れてよく混ぜる。

2.小麦粉を加え、ゴムベラでひとまとめになるまで混ぜる。


3.食品用の手袋を使い、ダマが残らないようにしっかりと混ぜる。

4.生地全体がまとまったら、乾燥しないようにラップをして発酵させる。
または室温での発酵でも可能
オーブン発酵40℃で45分

5.生地が倍にふくらみ、表面に気泡がたくさん出ていたら一次発酵完了。

6.ラップをして冷蔵庫で保存する。8時間から一晩寝かせると、より香りが深まる。
※ガス抜きは不要。

生地の使い方
- 冷蔵庫から取り出した生地を好きな分量で切り分け、丸めてベンチタイム10分。
- 打ち粉を多めに使うと、生地が扱いやすくなる。
- 成形後、オーブン発酵40℃で20分、または室温で90分発酵させる。冬場は90~120分が目安。
- 230℃に予熱したオーブンで20~30分焼く。大きさによって焼き時間を調整。
写真の例では、生地量385gをコルプ型で二次発酵させ、オーブンの下天板に熱湯を注いで230℃で20分焼き上げました。

美味しく作るためのコツとポイント
- 小麦粉によって吸水率が異なるため、生地が固すぎる場合はぬるま湯を少しずつ足す。
- 成形時に生地がやわらかいと感じたら、打ち粉を増やすと扱いやすい。
- 冷蔵保存中は乾燥を防ぐため、1日1回軽く丸め直すと生地がなめらかに保たれる。
- 発酵が終わった生地はガス抜き不要で、そのまま成形に移れるため、時短にもつながる。
まとめ
シチリアの太陽を思わせるような自然な甘みと香ばしさを持つ古代小麦Tumminia。
シンプルな材料で仕込むことで、その魅力を最大限に引き出すことができます。冷蔵庫にストックしておけば、食べたいときに成形して焼き上げるだけ。毎日のパン作りに取り入れやすい方法です。
焼きたてを口に運んだときの香りと味わいは格別です。特別感のある小麦を使った芳醇なパンを、ぜひご家庭でも楽しんでみてください。